haripo acupuncture office
一過性の高血圧への著効症例

患者
60歳代 女性

10年程まえから血圧が高く定期的に通院している。
薬を服用して、普段の血圧が上が140〜160程度 下が90〜100程度
血圧が高くなる基礎疾患はない。
特別な既往歴、家族歴はない。



>>>1回目施術時<<<

2日前に、眩暈と頭痛がして、とても気分が悪いので、自分で血圧を測ったら220以上あったので、すぐに病院を受診した。
直ちに入院となり、点滴などの処置をうけ、血圧は上が170〜150と位と落ち着く。

翌日心臓や頚動脈の狭窄などをチェックする検査などうけ、とりあえず異常がないので、一旦帰宅し、経過観察となった。
しかし、頭痛や眩暈などの自覚症状は改善していない。

今朝の血圧は自分の測定では上が190と再び高い数字であったので、普段、血圧を管理している主治医の診察を受けたが、自宅安静で、経過を観察することとなった。

このように血圧がたかくなったのは初めてだか、とにかく頭を動かすと眩暈がして、とても気分が悪いので、東洋医学を試してみようと思いつき、来院した。

所見

顔面全体に浮腫感があり、愁訴のため表情は乏しい。
脈は、血圧が高いことと相反して、触れにく沈む傾向。心拍は60/分程度
仰臥位に寝ると、顔をやや右に傾けたい傾向がある。(そうしないと気持ちが悪い)

施術

下肢、上肢より1−2穴程度をを選択
胃経、脾経 心包経などをノイロメーター(皮膚の電気抵抗を測定する機器)で探索。

胃経 下巨虚  
脾経 地機 
心包経 間使
などに 切皮程度(ごく浅いという意味の刺鍼)  置鍼15分

針を刺して時間を置いておく間に、頚部に手技。
頚椎4付近左に、頚椎の部分的捻れを示唆する兆候があり、その改善のためにマッサージや、筋膜リリーステクニックなどの手技を施術

その後、側臥位で、左頚部から肩部に刺鍼 5穴程度。経穴にこだわらず、圧痛などを指標に選穴。
鍼を刺し状態で5分置鍼



>>>2回目施術時<<<(初診より1日後)

昨日の施術を受け、帰宅したら、とにかく眠気がつよいので1時間ほど昼寝をした。
その後起きたら眩暈があまりなくなって、気分が良いので血圧を測定したら、上が130程度にまでさがっていてビックリした。
その後の数時間おきに測定しているが(私そのメモを拝見しました)その前後で安定して推移。
その晩も眠気がつづき、ぐっすり就寝した。

今朝は120−90。普段よりむしろ低めに推移している。

所見 
初診時より表情が回復し、めまい症状にありがちな頚部頭部を過剰に緊張させる防御反射がすくなくなっている動作印象。
脈も昨日より触れやすくなり、東洋医学の所見でも改善が観られる。
治療は、昨日とほぼ同じ内容。



>>>3回目施術時<<<(初診より4日後)

眩暈はほとんど気にならない。
今朝などとてもきもちよく、血圧は上が110などむしろ経験したことがないくらい低くなって、効果に驚いている。

所見
顔面の浮腫感は完全に改善し、初診時とは別人のような印象
東洋医学所見の脈も、当初沈んで触れにくいものが適当に浮いて顕著に改善している。



解説

このように、血圧が急激に高くなった場合には、すぐに病院などで診察を受けていただくことが大切です。
その結果、経過観察などの判断があった場合には、鍼灸などを選択するのも一案かと思います。

この方の血圧の急激な上昇の原因は、一過性の脳循環不全であり、その原因は器質的なものではなく、頚部などの筋肉の緊張やそれにともなう頚椎の捻転などで、脳に血液を供給するラインである頚動脈や頚椎動脈などの流れに障害が起こったものではないかと考えます。
このため、脳への血流量が若干低下して、これを補う反射として血圧が上昇していたのではないでしょうか。
仰臥位において、特定の方向を向かないと「めまい」がするなどの症状が、一つの根拠です。

血圧が高い場合には、下げることを考えてしまいます。
しかし、必然があって上げっている場合には、下げると、かえって自覚症状は悪化する場合もあります。
下げるのではなく、自然に下がることが重要です。

そこで、まず、直接的な原因と思われる頚部の環境を改善し、その上で自律神経のを副交感神経優位にすることで、さらに筋肉の緊張をゆるめ、血管を拡張する方針で施術をおこないました。

帰宅後からその晩まで、極度の眠気があったという患者様の話からも、鍼灸の施術によって、狙いどおり副交感神経が優位になって、血圧が低下したことが読み取れます。


このような著効例は、野球に喩えればホームランのような例です。
過剰に期待して鍼灸を受けるのもある意味危険ですが、ケースによっては効果的に現状を改善する場合もあるのです。

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